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2021.3.12

日本の人口動態と都心賃貸オフィスの今後

(画像=denisismagilov/stock.adobe.com)
(画像=denisismagilov/stock.adobe.com)
日本人の少子高齢化が進み2010年以降、生産年齢人口15歳以上64歳未満の人口が減少しています。人口減少により日本経済の停滞や都心の賃貸オフィス需要に悪影響を及ぼすのではないでしょうか。そこで本記事では、少子高齢化による経済への影響や策、都心の賃貸オフィス需要の先行きについて解説します。

人口が減少すると、経済成長率は悪化する

一般的に人口の減少は、労働力の減少分だけ経済成長率にマイナスになるとされています。また少子高齢化は、経済成長のマイナス要因「人口オーナス」状態です。人口オーナスとは、人口構成の変動に伴い経済がマイナスになることを指します。このまま日本人の労働力人口が減少していくと日本の実質GDPの低下により日本経済が停滞しかねません。

さらに日本経済の中心となる都心に拠点を構える賃貸オフィスの需要を不安視するのは当然の流れでしょう。

日本の少子高齢化は進行具合が見て取れる

日本の少子高齢化が声高に叫ばれていますが現状はどのようになっているのでしょうか。

<日本人の人口動態>
  人口 65歳以上 15歳以上64歳未満 15歳未満
2000年 1億2,693万人 17.4% 67.9% 14.5%
2010年 1億2,806万人 23.0% 63.2% 13.1%
2020年 1億2,532万人 28.9% 59.0% 12.0%
参照:内閣府「令和2年版高齢社会白書(全体版)」をもとに編集部作成

2000年から20年間の日本国内における日本人の人口動態を見てみましょう。2000~2010年の10年間で日本人の人口は増加したものの15歳以上64歳未満の人口は4.7%減少しています。なお高齢者と定義される65歳以上の人口は10年間で5.6%増加です。

一方で2020年の人口は、推計1億2,532万人と2010年から約274万人も減少しています。65歳以上は28.9%、15歳以上64歳未満は59.0%、15歳未満は12.0%でした。生産年齢人口の15歳以上64歳未満の割合は、2010年から4.2%の減少です。2000年から比較すると8.9%の減少となり20年間下げ止まりすることはありません。

反対に高齢者の人口の割合は、2010年から5.9%の増加、2000年から11.5%の増加とこちらは右肩上がりとなっています。このように、国内での日本人の少子高齢化は進んでいるという実態が分かるのではないでしょうか。

コロナ禍により、日本の少子高齢化はますます進む

では、今後の日本人の人口動態はどのようになるのでしょうか。

<日本人の人口動態>
  人口 65歳以上 15歳以上64歳未満 15歳未満
2025年 1億2,254万人 30.0% 58.5% 11.4%
2035年 1億1,522万人 32.8% 56.3% 10.8%
参照:内閣府「令和2年版高齢社会白書(全体版)」をもとに編集部作成

2025年は、人口が1億2,254万人と2020年から約278万人の減少が予想されています。そのうち65歳以上は30.0%、15歳以上64歳未満は58.5%、15歳未満は11.4%です。さらに2035年になると人口は1億1,522万人となり2020年から約1,010万人もの減少予想がでています。

2035年度の内訳は、65歳以上32.8%、15歳以上64歳未満56.3%、15歳未満10.8%です。なお2025年と2035年の人口予想は、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の予想となります。2000~2020年の20年間で日本人の生涯未婚率は増加を続けていました。さらにコロナ禍により婚姻数減少に拍車がかかり2021年の日本人の出生数は78万4,000人(前年比-7.5%)となる見込みです。

コロナ禍前、出生数が80万人台を割り込むのは2030年ごろと予測されていましたがコロナ禍により10年も前倒しになりました。このように今後もますます日本人の少子高齢化が進むのは明白といえるでしょう。

“少子高齢化の先進国”ドイツの取り組みと経済事情

今後の日本経済を検討していくにあたり比較としてヨーロッパのドイツを参考に見ていきます。日本とドイツは、すべてがあてはまるわけではありませんが国土面積やGDP、主力産業、国民性など類似点が多いことで知られています。

ドイツの高齢化と経済停滞

ドイツは、日本よりも早い段階で少子高齢化が進んでいました。

<ドイツの高齢者人口割合の推移(長期財政推計のモデル計算の前提)>
  高齢者人口割合
2001年 27.5%
2010年 32.6%
2020年 36.4%
2030年 47.3%
2040年 53.1%
2050年 54.5%
参照:財務省「海外調査報告書(平成19年6月)」をもとに編集部作成

ドイツ国内で少子高齢化について議論されていた2001年、ドイツでは、20歳以上64歳未満の人口に対する65歳以上の人口は27.5%でした。当時ドイツの予測では、2010年に上記65歳以上の人口の割合が32.6~32.8%に、2020年は36.1~36.8%、2030年は46.5~48.5%、そして2040年以降は53.1~56.4%になるとされていました。

また2001~2004年までのドイツの実質GDPは、2兆8,000億米ドル台で停滞し2004年ドイツの失業率はついに10.5%に。当時のドイツは、少子高齢化と合わせて経済の落ち込みにも頭を悩ませていました。

移民の積極的な受け入れと経済効果

ドイツは、低迷する経済の対策の一つとして専門的・高資格の高技能労働者を積極的に受け入れる要素を持つ移民法を2004年7月に可決、2005年1月に施行しました。その結果2000年台前半には、2兆8,000億ドル米台で停滞していたドイツの実質GDPは、2005年には2兆9,108億米ドルへ増加、そして2006年からは3兆米ドル台へ突入します。

2009年は、リーマンショックの影響から一時的に3兆米ドルを割り込みました。しかしそれ以外の年は増加傾向にあり2010年は3兆867億米ドル、2015年は3兆3,562億米ドル、2019年は3兆5,847億米ドルとドイツの実質GDPは好調を続けます。これにより2018年ドイツでは、メルケル首相が「今後も海外の人材を頼りにすることに変わりはない」と発言。

さらに移民の受け入れを拡大する流れがでてきました。なぜなら積極的な移民の受け入れが経済停滞の対策の一つとして効果があることが明らかになったからです。

日本の受け入れ体制整備は活発

ドイツから遅れて少子高齢化に直面した日本の外国人労働者の受け入れ状況を見ていきます。2014年6月、外国人受け入れ促進のためとして「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」が可決。2015年4月から新たな在留資格となる「高度専門職1号」「高度専門職2号」が導入されました。また2018年12月、即戦力となる外国人受け入れのため在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」を創設。

2019年4月に施行されました。日本においても外国人を労働者として日本国内へ招き入れるよう積極的な動きがでてきています。事実、2019年10月末時点での日本の外国人労働者数は165万8,804人で過去最高を更新。またこの間、日本の実質GDPは、以下のように2014~2018年まで毎年成長を続けています。
 
年度 日本の実質GDP
2014年 530兆1,916億円
2015年 539兆4,093億円
2016年 543兆4,625億円
2017年 553兆1,443億円
2018年 554兆7,878億円

この経済成長の要因の一つとして外国人労働者の受け入れ拡大を無視できないでしょう。

【東京のオフィス市場】東京は日本経済の中心であり、外国人労働者の中心である

日本経済は、今回のコロナ禍により一時的な落ち込みはありますが回復傾向を見せており成長率がプラスになることが予測されています。日本経済の成長は、都心の賃貸オフィス需要にも好影響をもたらしてくれるでしょう。まず日本における100人以上の事業所の所在地は、東京都が37.0%と日本で最も多く東京が日本の中心なことが改めて分かります。

東京圏(1都3県)の日本のGDPに占める割合は33.1%、東京都のみに限定しますと19.1%とこちらも東京都が最も多い割合です。東京が日本経済に大きな影響を与えていることから東京の経済と日本の経済は密接な関係にあり日本経済の成長率が都心の賃貸オフィスの需要を左右します。また日本経済に好影響を与える外国人労働者の受入先の雇用事業所は、東京都が最多です。

さらに高度人材となる専門的・技術的分野の在留資格者の就労場所も東京都が最多となっています。そのため今後ますます増加する外国人労働者が東京の経済や都心の賃貸オフィス需要の活発化へ影響を与えることは、想像に難くありません。

少子高齢化は進むが、都心の賃貸オフィス需要は減らない

日本国内において日本人の少子高齢化が進み労働力人口の減少を避けることはできません。しかしその対策として外国人労働者を日本へ受け入れていくことにより人口減少をカバーし日本の実質GDPのさらなる成長が見込まれています。そのため少子高齢化が進む現在においても日本経済や東京の経済と大きく連動している都心の賃貸オフィス需要は、今後も悲観することはありません。

引き続き需要があることが予測されるのではないでしょうか。

著者情報

株式会社シー・エフ・ネッツ
片岡 雄介
大学卒業後、新築マンション販売営業、賃貸仲介営業を経て、2011年、シー・エフ・ネッツグループへ入社。賃貸不動産の管理業務に従事する。現在、賃貸管理部門であるシー・エフ・ビルマネジメントのリーダーを務める。

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