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2019.7.4

「オフィスで昼寝」は本当に生産性を高めるのか?

(写真=Dima Sidelnikov/Shutterstock.com)
(写真=Dima Sidelnikov/Shutterstock.com)
睡眠が量的に不足したり質的に悪化したりすると、生活に支障が生じ仕事のパフォーマンスが低下します。そればかりか、睡眠時間の不足や睡眠の質の悪化が継続すると、生活習慣病のリスクが上昇することがわかっています。

そんな中、コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マース教授が提唱した「パワー・ナップ」というものが世界中の企業から注目を集めています。今回はこの「パワー・ナップ」の詳細と併せて、「オフィスでの昼寝の有効性」についてみていきましょう。

オフィスの昼寝が疲労回復、集中力・認知力向上に効く

パワー・ナップは、「power up(パワー・アップ)」と昼寝やうたたねを意味する「nap(ナップ)」をつなげた造語で、同教授が1998年に出版した著書『パワー・スリープ』で提唱したものです。深い眠りに落ちない10分から30分程度の昼寝を、午後の早い時間に取ることで、疲労回復や集中力・認知力向上の効果が得られるとされています。

このパワー・ナップの効果は、日本の厚生労働省も認めています。2014年3月に公表された『健康づくりのための睡眠指針2014』では、「午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的」と指摘しており、昼寝はいわば公(おおやけ)のお墨付きを得ているのです。

世界的企業が導入するパワー・ナップ

こうした効果が認められて、欧米ではグーグル、ナイキなどの有名企業が就業時間中にパワー・ナップを導入しています。また、極めて高い集中力が求められるNASAでも、1日のスケジュールの中に昼寝の時間を組み込んでいるそうです。

カリフォルニア州マウンテンビューのグーグル本社は、昼寝用の睡眠マシン(EnergyPod)を導入しています。また、オレゴン州ポートランドにあるナイキ本社では、社員が睡眠をとったり、瞑想したりすることができる防音部屋が用意されています。

日本人の睡眠時間は世界各国より短い

日本人の睡眠時間は、世界的に見ても少ないということをご存知でしょうか。経済協力開発機構(OECD)が2009年に行った国際比較調査によると、日本の平均睡眠時間は、調査対象18ヶ国の中で2番目に短かったそうです。

そんな不眠大国・日本でもパワー・ナップの効果が注目され、導入する企業が現れました。宿泊施設のオンライン予約サイトを運営するBooking.com(ブッキング・ドットコム)株式会社では、秋葉原をイメージして作られた休憩スペースを用意し、休憩中の昼寝も許されているそうです。

また、クラウド会計サービスで有名な株式会社マネーフォワードでは、執務スペースの中に昼寝スペースがあり、寝るのはもちろんのこと、ゴロゴロしながらの作業も許可されているといいます。

(参照:OECD iLibrary 「Society at a Glance 2009」

健康経営の重要な要素として

オフィスの昼寝がさらに普及する上で、課題となるのは人々の意識改革でしょう。「昼寝=サボり」という感覚を持っている人も少なくありません。
昼寝に対するネガティブなイメージを払拭するためには、今回ご紹介した「昼寝がパフォーマンス・生産性を向上させる」という科学的根拠をより多くの人に理解してもらうことが必須となります。
パワー・ナップは、働き方改革における「健康経営」の重要な要素の一つといえるものなので、ぜひ生産性を高めるための手段として周囲に呼びかけてみてはいかがでしょうか。


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