経営者の関心事
2020.5.21

不動産取得税と知っておきたい軽減措置

(写真=Thinkstock/Getty Images)
(写真=Thinkstock/Getty Images)
不動産に関する税金は大きく分けて2種類あります。

1つは購入時に発生する税金、もう1つは保有時に掛かる税金です。購入時に発生する主な税金には「不動産取得税」と「登録免許税」があり、保有時に掛かる税金には「固定資産税」と「都市計画税」があります。

この4種類の税金のなかで、軽減措置が最も複雑で、かつ軽減措置によるインパクトが最も大きいのが不動産取得税です。今回は、この不動産取得税について、その軽減措置をまとめてみました。

個人の住宅取得に手厚い軽減措置

不動産取得税とは、不動産を取得することによって課税されるもので、不動産の所在する都道府県が課税する地方税です。ここで言う不動産の取得には、有償・無償を問わず、売買・交換・贈与・新築・増改築が含まれます。相続や土地区画整理事業の換地による取得などは含まれません。

 実はこの不動産取得税、個人が居住用の不動産を取得する際は、実質的に税額がゼロになる場合が多いのです。一般的な個人が購入する住宅規模に合わせて、なるべく不動産取得税が発生しないよう軽減措置がとられているためです。

新築建物の軽減措置

 まずは建物の不動産取得税に関する軽減措置を見てみましょう。税額は「(建物評価額―控除額)×3%」で計算しますが(令和3年3月31日まで)、一戸建てもマンションも自分で住むために新築住宅を購入した場合、床面積が50~240平方メートルであれば、建物の評価額から1,200万円が控除されます。240平方メートル以上の建物となると、個人が住む家としてはかなり大きい部類に該当します。

建物の評価額は新築価格の60%程度とされていますので、例えば2,000万円の新築建物だと、建物評価額は約1,200万円です。

その場合の不動産取得税は「(建物評価額1,200万円―控除額1,200万円)×3%=0」となります。つまり建物の不動産取得税は、新築価格が2,000万円以上のときに発生してくるイメージと言えます。

中古建物の軽減措置

中古住宅においても買主の居住用として取得する場合は、同様の要件です。ただし、中古住宅の場合は、1982年(昭和57年)1月1日以降に建築されたものか、もしくは新耐震基準に適合していることの証明がされたものという要件が付いています。

1982年より前に建てられた中古住宅を購入する場合は注意が必要です。また、旧耐震の建物を購入する場合、安全性は確認しておいた方が良いので、不動産取得税に関わらず耐震診断を取ることをお勧めします。

>>【関連記事】自社ビル所有に向けて知っておきたい税金の話

投資用マンションの場合はどうか

一方で、賃貸マンションを購入する場合、不動産取得税の軽減の面積要件は40~240平方メートルです。一般的なワンルームマンションは25平方メートル程度なので、不動産取得税の軽減措置は受けられません。

ただ、ファミリータイプの投資用マンションは入居者探しに苦戦する場合が多く、賃料単価も低いため、投資用であれば不動産取得税を払ってでも、25平方メートルのワンルームマンションを購入した方が良いでしょう。

土地の軽減措置

次に土地の不動産取得税の軽減措置を解説します。土地の軽減措置は住宅用に限定されており、オフィス用地などには適用されません。土地の不動産取得税の基本形は「土地評価額×(1/2)×3%」です(令和3年3月31日まで)。これを①とします。

次に「(土地評価額×(1/2)÷土地面積)×(住宅の床面積)×2×3%」を求めます。これを②とします。ただし、この床面積は1戸につき200平方メートルまでが限度です。

この②が45,000円以上であれば、①から②を控除した金額が土地の不動産取得税となります。

具体例でインパクトを確かめる

上述の軽減措置は極めて複雑な式なので、具体例で見ていきましょう。土地評価額7,200万円、土地面積125平方メートル、住宅の床面積100平方メートル、建物評価額1,260万円という物件があるとします。

 まず上述の①は「7,200万円×(1/2)×3%=108万円」となります。次に②は「(7,200万円×(1/2)÷125平方メートル)×100平方メートル×2×3%=172万8,000円」です。

これは45,000円より高いため、①の108万円から②の172万8,000円を控除するとマイナスとなります。よってこの例の場合は、不動産取得税は課税されないのです。

注意すべきは中古住宅の購入

以上、不動産取得税の軽減措置を見てきました。個人が普通サイズの住宅を購入する際は、課税されないケースが多いことを理解いただけたでしょうか。一般的な住宅を購入する際は不動産取得税をあまり意識する必要はありません。

あえて言えば、1982年より前に建築された建物を中古で購入する際は注意が必要です。この場合は耐震診断を取って、まず安心感を得ることです。次に不動産取得税の軽減も忘れずに獲得するのが良いでしょう。

(参照:東京都主税局「不動産取得税」
(参照:三井不動産リアルティ「2019年度税金の手引き」

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