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経営者の関心事
2020.4.23

都市部の地価上昇基調続く 2020年公示地価から読みとくCRE戦略

(画像=ImageFlow/Shutterstock.com)
(画像=ImageFlow/Shutterstock.com)
2020年3月18日、2020年(令和2年)の公示地価が発表されました。公示地価とは、国土交通省土地鑑定委員会が年に1回、その年の1月1日時点の地価を公表するもので、一般的な土地売買の際の指標や公共事業の取得価格の基準となっているものです。

日本経済の緩やかな景気回復傾向を受けて、地価は全国の全用途平均が1.4%プラス(前年1.2%)と5年連続で上昇となり、上昇幅も4年連続で拡大しています。住宅地は0.8%上昇で3年連続、商業地3.1%上昇で5年連続の上昇と、いずれも上昇基調を強めています。

都市部、商業地の地価上昇が著しい

今年の公示地価においては、地方圏の回復傾向が明らかになりました。地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)を除くその他の地方圏において、全用途平均と商業地が1992年以来28年ぶりに上昇しました。住宅地は1996年から続いた下落から横ばいへとなりました。

しかし、際立っているのは都市部の地価上昇です。国土交通省が発表した「令和2年地価公示の概要」によると、3大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)では、全用途平均において2.1%上昇しており、とくに商業地は5.4%+上昇と高い上昇率を示しています。

商業地の地価上昇の要因としては、以下の3つが挙げられます。

1.緩やかに続く景気回復や良好な資金調達環境のもと、企業のオフィス需要が堅調で空室率の低下と賃料の上昇が継続していること

2.外国人観光客の増加によるホテル進出や店舗の出店が顕著で、店舗賃料が堅調に推移していること

3.東京都心部の再開発事業が進捗しており、利便性・繁華性の向上などがプラス要因となっていること

これらを踏まえ、次項にて商業地の上昇の理由を詳しく見ていきましょう。

景気回復とオフィス需要の拡大が後押し

商業地の地価上昇の1つ目の理由は、日本経済の持続的な回復とそれを背景にしたオフィス需要の増加です。

2012年末から始まった今回の景気回復は、戦後最長の景気拡張期と言われる前回の好景気「いざなみ景気」(2002年2月~08年2月)を超えたと見られています。企業業績が大きく伸長したことによって、雇用者数の増加によるオフィスの増床需要や、業務効率化に向けたオフィス再編需要が高まりました。

オフィス需要は、当然都市部を中心に増加します。とくに東京都心部は、オフィスの空室率が急速に低下し、賃料が上昇していきました。賃料の上昇は、その土地が将来にわたって収益を生み出す資産と見なされ、地価の上昇へとつながります。こうした地価の決定理論は「収益還元モデル」と呼ばれ、現実の地価動向に強く影響を与えるのです。

インバウンド特需に湧く浅草

2つ目の理由は、インバウンド需要の拡大です。外国人観光客の増加によるホテル・店舗の需要が旺盛となり、店舗賃料の上昇を引き起こしました。それが収益還元によって、地価の上昇に結果しました。

東京都の区ごとの上昇率ランキングにそれは如実に現れています。上昇率が大きい区を順に並べると、1位台東区14.9%、2位北区10.4%、3位港区10.1%となっており、外国人観光客が殺到している浅草を抱える台東区が大幅な地価上昇を示しているのです。

また、浅草と同じく多くの訪日外国人が訪れる銀座では、「中央区銀座4丁目(山野楽器銀座本店)」の地価が1平米当たり5,770万円を記録し、バブル期を超える水準まで高騰しています。

相次ぐ再開発事業が東京の価値を上げている

3つ目の理由は、とくに東京都心部に顕著ですが、相次ぐ再開発事業の進展によって、利便性・繁華性が高まったことが挙げられます。

用途は住宅地にはなりますが、「港区赤坂1丁目」は1平米当たり472万円で3年連続住宅地全国1位でした。これには、周辺の大型再開発事業「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の影響が大きいと見られています。同プロジェクトは、オフィス・商業施設とともに、富裕層や外国人向けの住宅にも力を入れていて、周辺地域の地価上昇にもインパクトを与えているのです。

地価上昇とCRE戦略については、こちらの記事も参照ください。
参照:自社ビルのススメ「国税庁が路線価発表 地価上昇続く中、CRE戦略はどうあるべきか

最大の懸念材料は新型コロナウィルス

このように東京都心部の地価上昇は堅調ではありますが、懸念材料もあります。最大の懸念材料は、やはり新型コロナウィルス(COVID-19)の影響です。

2020年4月7日、安倍総理大臣が7都府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県)を対象に緊急事態宣言を行ったことを受けて、小池百合子東京都知事は徹底した外出自粛要請を呼びかけました。

これを機に今後も週末や連休など本来であれば消費が活発化する週末や連休の外出の自粛が通例となることが考えられ、経済に与えるマイナス影響にも懸念が深まっています。

中国、ヨーロッパ、米国などに比較すると感染者・死者の拡大ペースは抑えられている日本ですが、経済の影響は直撃します。インバウンド関連やイベント、飲食店などにはすでに深刻な影響が出ています。前に説明しましたように、収益性の低下は収益還元によって地価下落に結びつきます。

新型コロナショックによって、米ダウ平均、日経平均など世界中の株価が大きく下落しました。企業業績の悪化に伴う株価の低迷は不動産市場にとってもネガティブに影響します。特に都心3区の不動産価格は株式市場の動きから半年から1年ほど遅れて反応する傾向があります。

このままコロナウィルスの影響から経済が停滞すれば、不動産市場も短期的には低下する懸念があります。

現在進行中の出来事ですので、どこまで影響があるかはまだまだ未知数ですが、要注意であることは間違いないでしょう。

ただ、そうした懸念材料はあるものの、都市部とくに東京都心部の地価については、今後も人口と商業、情報などが集積されていくことは確実ですので、長期的に大きく値崩れすることは考えにくいと言わざるを得ません。

新型コロナショックが日本経済にインパクトを与えることは間違いないですが、東京都心部への人口・商業・情報などの集積は前章までに見てきたように、ここ数年の公示地価にも現れています。

短期的な時間軸では、地価の上下が見られるかもしれませんが、CRE戦略の時間軸としては長期保有を基本とするべきです。であるならば、人口も経済規模も成長し続ける東京都心部のエリアを中心に考えるスタンスは変わらないでしょう。

天災リスクとCRE戦略については、こちらの記事も参照ください。
参照:自社ビルのススメ「首都直下型地震…そのとき東京は大丈夫なのか?

短期的なスパンでは、地価の上下が見られるかもしれませんが、長期保有を基本とするCRE戦略としては、やはり人口も経済規模も成長し続ける東京都心部を中心に考えるべきでしょう。

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