自社ビルのメリット
2020.4.30

企業不動産から長期経営戦略を考える 資産としての自社ビルが持つ意義

(画像=ImageFlow/Shutterstock.com)
(画像=ImageFlow/Shutterstock.com)
2020年の公示地価でも明らかになったように、東京などの都市部を中心に地価が上昇し続けています。地価上昇を受けて不動産市場は活況を呈していますが、一方で新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的感染という事態が発生し、それが経済に深刻な影響を与え始めているなどの懸念材料もあり、市場の行く末には不透明感が出てきています。そのため、短期的には不動産価格が上下することも考えられるでしょう。

不動産は金融資産ほど流動性が高くないということを考慮しても、企業が自社ビルなどの不動産を保有することは、当然一定のリスクを抱えることになります。

長期のスパンでは地価上昇を続けている東京都心部

しかしながら、企業活動に本来「ゼロ・リスク」はありえません。企業のコア事業(本業)にしても、良い局面と悪い局面が必ず巡ってきます。どんなに素晴らしい製品やサービスを提供していたとしても、日本経済・世界経済の浮き沈みに影響を受け、揺れ動くのが企業経営というものです。

自社製品の販路が拡大し業績を伸ばし続けていても、リーマンショックのような世界的不況に直面にすれば、優良企業でも経営に行き詰まってしまうのがビジネスの常です。

そのため、考えられるリスクを事前に徹底的に洗い出し、それらを回避またはヘッジするためのリスクコントロールがとても重要になります。冷静にリスク計算をしていくと、「企業が不動産を保有することは一定のリスクを抱えることになる」と述べましたが、長期のスパンで見た場合、実はリスクヘッジになっている部分もあることがわかります。

長期的な視点で安定的に成長している地域、たとえば東京都心部のようなエリアに不動産を保有することは安定してインカムを生み、企業のコア事業を支えてくれることがあるのです。

俯瞰して、超長期のスパンで東京都心部の地価動向を見てみましょう。

東京都財務局のデータをもとに100年企業戦略研究所が作成した資料によりますと、銀座4丁目交差点付近の地価は1872年(明治5年)から2015年(平成27年)までの143年で坪単価5円から坪単価1億6,000万円まで上昇しています。

上昇幅は実に3,200万倍にも達しています。
 

貨幣価値の変動を考慮に入れると、1872年当時の5円は現在の10万円ほどですので、実質的な地価上昇は1,600倍になります。それにしても、とんでもない資産効果になることがわかります。

東京都心部に不動産を保有することで、安定した利益を生んでいる事例

それでは、実際に2社の企業の事例を見ていきましょう。

事例① 東京放送ホールディングス
株式会社東京放送ホールディングスは、日本を代表するテレビ局の一つTBSグループの統括会社です。

同社の事業は、本業であるテレビ・ラジオの「放送事業」、各種催物、ビデオソフト等の企画・制作、雑貨小売、通信販売、化粧品製造販売、外食等を展開する「映像・文化事業」、土地・建物の賃貸等を行う「不動産事業」の3本柱になっています(参照:株式会社東京放送ホールディングス「2019年3月期決算資料」1ページ目)。

セグメント別の営業利益ベースで、放送事業31億円、映像・文化事業76億円、不動産事業77億円となっており、トータルで185億円となります(参照:株式会社東京放送ホールディングス「2019年3月期決算資料」11ページ目 )。セグメント別では、本業である放送事業ではなく、不動産事業が営業利益トップになっているのです。

同社は、TBS放送センターが所在する大規模複合施設「赤坂サカス」を運営しています。そこには、オフィス・商業複合棟「赤坂Bizタワー」、高級賃貸住宅棟「赤坂 ザ レジデンス」があり、これらからの賃料収入が大きな利益につながっています(参照:株式会社東京放送ホールディングス「2020年3月期第2四半期決算説明会」11ページ目)。

同社の前身であるラジオ東京が1955年に事業を開始したとき、「赤坂」という日本でも有数のブランド立地を拠点としたこと、その不動産を保有していたことが、今日の事業の礎となったのです。

事例② 松竹
松竹株式会社は、日本の演劇・映画の制作や興行を行う事業体の草分け的存在です。創業は1895年(明治28年)で100年以上事業が続く100年企業ですが、同社も不動産事業の利益が企業経営を支えています。

不動産事業が45億9,400万円の営業利益で、全体に占める割合は約59.3%に上ります。歌舞伎座タワー、銀座松竹スクエア(築地松竹ビル)、東劇ビル、有楽町マリオン(有楽町センタービル)、松竹倶楽部ビルなど「銀座の顔」となっている物件を同社が多数保有していることを考えれば、当然の結果かもしれません(参照:株式会社松竹「2019年2月期決算短信」目次3ページ目)。

これら2社の共通点は、古くから東京都心部に本社ビルという不動産を保有していることです。しかも、赤坂と銀座という世界的にも有名なブランド立地ということがポイントです。こうした希少性・収益性が高い土地に建てられたビルは、末永く企業経営を支える優良資産となってくれます。

東京都心部に不動産を持つという、短期的なスパンではリスクと思いがちなものも、長期的な視点に立つと経営の大きな支えになる好例と言えるでしょう。

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