自社ビルのメリット
2020.1.14

世界の都市はスマートシティへ 存在感を増す都市の企業不動産

(画像=metamorworks/Shutterstock.com)
(画像=metamorworks/Shutterstock.com)
2010年代以降、世界的に注目を集めるようになった「スマートシティ」。日本では2011年に東日本大震災が起こり、都市インフラや防災、エネルギー問題などが強く意識されたこともあり、次世代型都市づくりの基本形として意識されるようになりました。

世界の都市において進行している「スマートシティ」とは、一体どのようなものなのでしょうか。

新技術が実現する持続可能な都市=スマートシティ

スマートシティとは、ICT、IoT、AI、ビッグデータ、再生可能エネルギー、ロボット、自動運転等の新技術を活用しながら、インフラや都市サービスを効率的に管理・運営し、全体最適化が図られる持続可能な都市のことを指します。

では、なぜこのスマートシティが注目されるようになったのでしょうか。まずは、問題を俯瞰して見ていきましょう。

世界の人口は、将来的にますます都市に集約されていくことが予測されています。国連は2018年5月16日に、「World Urbanization Prospects 2018」という報告書を発表しました。その中で国連は、世界の都市部に暮らす人口の割合が2050年までに68%になると予測しています。実際に1950年代時点で30%だった都市人口の割合は、2018年の段階で55%にまで上昇しており、今後さらに増えていくことが予想されているのです。

ところが、この急速な都市化という現象、あるいは都市人口の急速な増加という現象は、一方で以下のような大きな問題を引き起こします。

(1)交通インフラの問題
人口が急激に増加することによって交通渋滞が発生し、同時に車の排気ガスによる大気汚染が深刻になります。

(2)都市型生活関連サービス需要の増大
医療、教育、治安などの都市生活者が必要とする生活サービスへの需要が増大します。

(3)地球温暖化問題・エネルギー問題
エネルギー需要の拡大によって、温暖化効果ガス排出の抑制が求められていきます。

これら3つの課題の解決のために、スマートシティが非常に期待されているわけです。

(参照:United Nations(国際連合)「World Urbanization Prospects 2018」

急速な都市化、都市人口の急速な増加という現象が引き起こす大きな問題

①    人口増加によって引き起こされる交通渋滞と車の排気ガスによる大気汚染
②    医療、教育、治安などの都市型生活関連サービスへの需要増大
③    地球温暖化問題・エネルギー問題への対応

Society 5.0(超スマート社会)時代の都市

日本政府もスマートシティの旗振り役になっており、スマートシティは政府が推進する「Society 5.0」(超スマート社会)というコンセプトに親和性の高いものになっています。

このSociety 5.0(ソサエティー5.0)とは何でしょうか。内閣府は「第5期科学技術基本計画」の中で、日本が目指すべき未来社会の姿としてSociety 5.0を提唱しています。これは、これまでの狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、「経済発展と社会的課題の解決を両立させる人間中心の社会」と定義されているものです。

このSociety 5.0に基づくまちづくり・都市形成こそ、スマートシティなのです。

世界のスマートシティの動き

海外では、スマートシティへの取り組みが加速しています。その一例として、グーグル関連会社・サイドウォークがカナダのトロントで進めているスマートシティ・プロジェクト「IDEA」の取り組みが挙げられるでしょう。「グーグル化された都市」として、世界的な注目を浴びているのです。

街の屋外には傘のような覆いが取り付けられ、雨や強い陽射しから人びとを守るようになっています。また、街なかの移動は公共交通か自転車・徒歩となり、自家用車の利用は制限されます。そして住宅については、全体の20%は低所得者層にリーズナブルな価格帯で提供する予定です。

世界中から「検索」という形でビッグデータを集積してきたグーグルらしく、IDEAではあらゆる所にセンサーが埋め込まれ、交通の流れや騒音レヴェル、大気汚染、エネルギー使用量、人びとの行動パターン、ゴミの排出量等々の情報を常時収集するといいます。

東京・日本橋再生計画の事例

東京も近年のいくつかの再開発を通じて、スマートシティへの道を歩んでいます。その一例として、2019年に竣工した「日本橋室町三井タワー」を紹介しましょう。

これは、三井不動産を中心に進められている「日本橋再生計画」の第2ステージにあたるもので、一番の特長は、開発地域だけでなく日本橋室町周辺地域に対し「電気」と「熱」を供給するエネルギープラントを設置していることです。これは日本初の試みです。

このエネルギープラントは、災害に強いといわれるガス発電を利用するため、非常時にもBCP(事業継続計画)に必要な電気の供給を受けることが可能となります。

また同タワーでは、オフィスを働く場としてだけでなく「充実したビジネスライフ実現の場」と捉え、より豊かに進化したオフィスを創造する試みが行われています。カフェを併設したテナント企業専用無料ラウンジもその一つで、ランチや打合せだけでなく、イベント利用や社員同士の交流のためのスペースとしても利用可能です。そして、ラウンジからスカイテラスに一歩出れば、都会にいながら木々の緑でリフレッシュすることもできます。

スマートシティ化する都市に自社ビルを

前述の国連の報告書にもあるように、世界の人口動態は「都市を目指す」トレンドとなり、それは今後とも加速されていきます。

都市はICTなどの新技術を通じてスマートシティとなり、都市住民のQOL(生活の質)を向上させていく道へと歩んでいくでしょう。そのような都市に自社ビルという不動産を保有することは、将来的に大きな意味を持ってくるといえます。

また、スマートシティ化する都市で自社ビルを保有することには、次のようなメリットもあるのです。

メリット1:企業ブランディング

都市がスマートシティとしてブランド化することに伴い、そこに自社ビルを保有していたり、本社機能を有したりしている企業は、ブランディングに有利に働きます。スマートシティ化が進むと、都市自体がブランドとなるからです。ハイランクの都市ブランドは都市間競争での優位性をもたらし、人材の確保、社会的信用の獲得、企業イメージの向上など有形無形のアドバンテージが得られるようになるでしょう。

メリット2:資産価値の上昇

スマートシティ化された都市は、高次元のインフラ整備、持続可能なエネルギー利用、都市住民QOL向上のための諸施策などにより、人口の集積が促進され、長期的なスパンでは不動産価値の上昇が期待されるようになります。

まとめ

ブランド化された都市に存在し、長期的に高い資産価値を維持する自社ビルという企業不動産の存在は、企業経営の力強い支えになると言えるでしょう。今後ますますスマートシティ化していく東京。このトレンドを見据え、CRE(企業不動産)戦略の一環として自社ビル保有を検討してみる価値は大いにあるのではないでしょうか。

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