自社ビルのメリット
2019.8.26

CRE戦略としての不動産M&Aとは?

(画像=ESB Professional/Shutterstock.com)
(画像=ESB Professional/Shutterstock.com)
地価動向や人口動態の視点からも「東京への一極集中」という大きなトレンドは今後も続く可能性が示唆されています。そうした情勢下においてCRE戦略(Corporate Real Estate:企業の不動産戦略)の中に東京都心部の不動産を組み込むことは、非常に有効な選択肢の一つです。例えばポートフォリオに自社ビルを組み込み、オフィスとして活用するのもよいでしょう。

そうした戦略の大きな障壁となっているのが、高騰する不動産価格と取得コストの増大化です。

不動産M&Aという手法

「不動産M&A」という言葉をご存じでしょうか。一般的にM&A(Mergers and Acquisitions)は企業が保有する事業・資産の取得を目的とする企業合併・買収のことです。一方、不動産M&Aは企業が所有する不動産の取得を目的に行われるM&Aを指します。モノとしての不動産を取引するのではなく、不動産を所有する法人の株式を取引するわけです。

不動産の売買をめぐるコストで、一番意識する必要があるのが税金だといえます。不動産M&Aは、この税金を抑えるのに大きな威力を発揮するのです。

最大の魅力は税務メリット

一般的に法人が不動産を売却した場合、売却益は事業の利益全体に合算されます。(売却損となった場合も同様)その利益にかかるのが法人税ですが、不動産売却益が大きければ法人税も膨らむのは当然のことです。この法人税の実効税率は条件によって幅がありますが、財務省が発表している2018年1月時点での日本の法人実効税率は29.74~37%です。

しかし税金は法人税ばかりではありません。法人の株主(オーナー)が不動産売却益を受け取ろうとすると、最大45%の所得税と10%の住民税がかかってしまいます。このようなことが不動産M&Aになると取引は株式の譲渡であるため、株式譲渡益課税の所得税・住民税の20%程度で済ませることが期待できます。

これは売り主側の利益になる話ですが、買い主側にも非常に大きなメリットです。なぜなら売り主の手取りが大きくなる分、割引交渉が可能になるからです。さらに不動産取得時のさまざまな税金からも解放されます。一般的な不動産取引の消費税は、建物部分にかかり、土地にはかかりません。しかし不動産M&Aであれば消費税および登録免許税、不動産取得税、売買契約書の印紙税も不要です。

不動産M&Aにおける買い主の注意点

いいことずくめのような不動産M&Aですが、デメリットもあるため注意しなければいけません。
単なる不動産取引ではなくM&Aなので、売り主のデューデリジェンスを慎重に行う必要があります。「決算書に記載されていない簿外債務がないか」「他社への保証債務がないか」などを調べる行程が発生するのです。

買い主としては不動産の取得が目的なので、それ以外の事業、従業員などは切り離されているか精査しなければなりません。そのため不動産M&Aは、通常の不動産取引よりも複雑で時間がかかるのが一般的です。

不動産M&Aにおける売り主の注意点

売り主側の注意点としては、「土地類似株式」と判定される場合、不動産の短期譲渡所得があったとみなされ、39.63%(復興所得税含む)の課税となることが挙げられます。

総資産のうち土地・借地権の割合が70%以上を占め、その不動産の所有期間が5年以下の場合、もしくはそのような株式の保有期間が5年以下の場合に適用されます。

まとめ

東京への一極集中の流れは継続することが予想されます。そのような中、企業経営の大きなコストであるオフィス賃料をどのように扱うのかが重要になってきます。今後も東京の不動産価格が上昇するなら、取得してしまうことも有効であり、長期的には優良な資産として企業経営を助けてくれることでしょう。

しかし、CRE戦略を考えるうえで取得コスト、とくに税金は経営者の頭を悩ませる問題ですが、不動産M&Aのような手法を駆使することによって課題解決ができる可能性があります。優れた手法(戦術)の組み合わせが、より良いCRE戦略につながることが期待できるでしょう。

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