自社ビルのメリット
2019.1.30

オフィス外でも絆?社宅の人気が高まっているワケ

(画像=Volodymyr Kyrylyuk/Shutterstock.com)
(画像=Volodymyr Kyrylyuk/Shutterstock.com)
2018年3月、伊藤忠商事が18年ぶりに横浜市日吉に男性社員向けの独身寮を新設したことが話題を呼びました。終身雇用制度が崩壊したといわれる現代において、社員寮や社宅は昭和の遺物のように思われがちですが、社宅があることで採用力が高まるともいわれています。今回は、そんな社宅人気の秘密を探っていきましょう。

伊藤忠、社員の一体感目指し大型独身寮を新設

伊藤忠商事はこれまで、成城学園前駅(東京都世田谷区)付近など4カ所に男子独身寮を設けていました。しかし、「ひとつ屋根の下で社員の一体感を図る」というコンセプトから今回、横浜市(日吉)に7階建て361室の大型独身寮を新設するに至ったといいます。日吉からであれば、外苑前の同社本社まで30分程度で通勤でき、従来の寮よりも通勤時間が30分短縮されるため、同社が推進する「朝型勤務」の面からもメリットがあるとしています。
そして初年度には、100人の新入社員を含む260人が入寮。「健康経営」の観点から入寮する社員の健康管理には特に気を配っていくとしています。

社宅や住宅手当はなぜ人気?

「社宅あり」や「家賃補助(住宅手当)あり」といった採用条件は、人材採用の面でも有利になるといわれています。特に、新卒採用ではプラスに働くようです。
というのも、社宅や家賃補助で生活コストの中でも大きな割合を占める家賃を抑えることができれば、実質的な給与アップともいえるからです。また、独身寮は体育会系のイメージから敬遠する人もいる一方で、若手社員の中には伊藤忠の事例のように、寮生活を通しての一体感や絆を重視する傾向もあるといいます。

では、社宅と家賃補助(住宅手当)のどちらが良いのかというと、企業・従業員ともにメリットが大きいのは社宅といえるでしょう。
住宅手当は給与の一部としてみなされるため、従業員の所得が増える形となり、所得税や厚生年金、健康保険などの社会保険料の増加につながります。厚生年金や健康保険などの社会保険料は、会社と従業員が折半しているため、会社の負担増にもつながるのです。

一方、社宅として家賃を徴収する場合、所得から差し引く形になるため課税の対象とならず、企業・従業員ともに負担が増えません。また、企業は社宅にかかるコストを「福利厚生費」として費用計上することができます。
ただ、社宅の家賃をあまりに低額にしてしまうと給与としてみなされることもあるため、注意が必要です。

また、企業が不動産を社宅として保有する社有社宅の場合、空き室を社外の人に貸し出して収入を得られるというメリットもあります。
さらに2005年以降、減損会計の考え方として、資産価値の下がった社有物件の現在の価値を帳簿上で明らかにする必要があります。そのため、社有住宅から借り上げ住宅に切り替える企業も増えているのです。

「不動産を持つ」という強み

近年、社宅や自社オフィスビルといった企業不動産の活用は、CRE戦略として企業経営上で重視されるようになっています。バブル期にみられたような本業とかけはなれた不動産への投資ではなく、「企業価値を最大化するための経営戦略としての不動産活用」ということです。

創業30年程度経つと時流の波が変化し、どんな企業でも業態の転換や新規事業の創出が求められますが、これは決して簡単なことではありません。そうした変革の時に企業の経営基盤を支える礎となるのが、価値を生み出す不動産です。例えば、自社ビルや社宅の空きスペースを貸し出すことで、賃料収入を得ることができます。また、ノンコア不動産の売却で得た資金で、事業転換や新規事業創出のための資金を捻出することも可能です。

バブル崩壊後の2000年以降、「持たざる経営」がもてはやされ、多くの社宅や独身寮、福利厚生施設といった企業の遊休不動産が売却されました。しかし昨今では、不動産を持つことによる安定性が再び評価され、社宅や自社ビルといった企業不動産に注目が集まりつつあるのです。
若手を中心とした人材採用にもプラスになり、不動産資産としての価値も持つ社宅のメリットについて、今一度目を向けてみてはいかがでしょうか。

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