自社ビルのメリット
2019.1.30

BCPから考える自社ビルのすすめ

(画像=r.nagy/Shutterstock.com)
(画像=r.nagy/Shutterstock.com)
2011年の東日本大震災以降、BCP(事業存続計画)について検討する企業が増加しています。ただ、大企業での対策は進む一方で、中小企業では後れをとっている状況です。今後発生すると言われている「南海トラフ巨大地震」のような大規模災害時にも、企業の社会的責任を果たすため、自社ビルや生産拠点の災害対策を含めたBCPの策定が重要になるのです。

万一の緊急事態に備える「BCP」

BCPとは、大規模災害や事故などを想定し、万一の際でも事業の継続を可能とするための対策をまとめたもののことです。
例えば、本社を置く地域で大地震が発生した場合、従業員の多くが被災し出勤できなくなる可能性があります。そうなると指揮系統が乱れてしまい、会社組織全体にも影響が及びかねません。また、生産拠点が被災した場合でも、設備の改修に時間がかかり、生産計画への変更を余儀なくされるでしょう。
こうした場合、被災を免れた数少ない人員や設備であっても、最重要業務から事業を継続してサービスレベルを許容範囲に保ち、期間内に復旧を行うための代替案が必要になります。
東日本大震災では、中小企業の多くが貴重な人材や設備を失い、廃業に追い込まれました。また、被災からの復旧が遅れた結果、顧客が離れて廃業に追い込まれたというケースも少なくありません。
経営の安定化を図るためにも、BCPは中小企業にこそ重要といえるでしょう。

最大の懸念は「地震」、南海トラフ巨大地震を警戒

NTTデータ経営研究所が東日本大震災から4年後の2015年に実施した「BCPに関する企業意識調査」によりますと、BCP で想定するリスクとして「地震」を挙げる企業が約 7 割に上ったそうです。また、地震以外の風水害も48.8%と半数近くに上っています。2018年には、大型台風や長雨による水害が日本各地に甚大な被害を及ぼしました。自然災害を経営リスクとして意識する割合は、昨今調査時よりもさらに高まっていると考えられます。

同調査の中でとくに警戒されているのが、「南海トラフ巨大地震」の発生です。今後30年以内に70~80%の確率で発生するとされている巨大地震で、最悪の場合、死者が32万以上に達すると推計されています。そして、九州から静岡県までの広範囲で地震や津波の被害を受ける可能性があるのです。NTTデータ経営研究所の調査では、南海トラフ巨大地震の警戒地域にあたる中国・四国地方において、BCP策定済み企業の割合が急増しています。

オフィスビルや生産拠点、会社設備の災害被害や耐震性をチェック

BCPでは、災害をはじめとする様々な状況を想定し、事業を継続させるための代替案を策定します。BCPを策定する中でチェックすべきもののひとつに、自社ビルや工場といった会社の設備や不動産が挙げられます。
従業員や地域の安全を守るためにも、オフィスビルや生産拠点が地震や風水害などの災害に十分な耐性を持つかどうかを確認することが大切です。

BCPの策定時には、会社の拠点を置く地域の災害危険性も把握しておきましょう。災害の発生予測地点や被害の拡大範囲、避難経路、避難場所などの情報をまとめたものを「ハザードマップ」と呼び、国土交通省も都道府県ごとにまとめたものをウェブ上で公開しています。

JR東日本では2017年、総投資額63億円をかけて自社が所有するオフィスのBCP対策を強化したと発表しました。基本コンセプトは「耐える」「留まる」「安心する」の3点。オフィスビル自体の耐震性を強化するだけでなく、災害時に従業員や近隣の人たちが館内に留まれること、また適切な情報提供で安心感をもたらすことを目標としています。
しかし、自社でいくらBCPのための耐震化を進める意向を持っていても、賃貸ビルだとオーナーや他のテナントの意向も加味され、なかなか足並みをそろえることが難しいかもしれません。その点、JRのように自社ビルであれば、独断で推進することが可能なのです。

何より、生産拠点が災害で被害を受け、資金繰りが厳しくなってしまった場合でも、自社ビルを担保にすることで資金調達を行えば、その場をしのいでいくことも可能になります。「万が一の事態にも対応できるような準備」という点で言えば、BCPにおいて「自社ビルを持つこと」を検討していくのも重要といえるのではないでしょうか。

平常時からの備えが大切

災害はいつ起こるか分からず、突然訪れます。そのため、BCPを策定していても、非常時には想定していた通りの行動ができないかもしれません。しかし、それでも平常時からの備えと訓練が重要なのです。
企業は事業を営み、従業員の雇用と健康、安全を保障するだけでなく、地域社会の一員として社会的責任を果たす必要があります。BCP対策の一環として、まずはオフィスビルや生産拠点、会社設備の安全点検を進めてみてはいかがでしょうか。

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