区分所有オフィス
2020.8.11

東京の人口が1,400万人を突破 「一極集中」が止まらない東京に多様性が求められるオフィス

(画像=oben901/stock.adobe.com)
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2020年6月11日、東京都は2020年5月1日時点の人口(推計)の概要を発表しました。これは2015年10月1日現在の国勢調査人口を基準とし、それに毎月の住民基本台帳人口の増減数を加えて推計したものです。概要によると東京都の人口は総数で1,400万2,973人となり、ついに1,400万人を突破したことが分かりました。

ちなみに対前月比は2万351人増、対前年同月比は8万1,648人増になります。一極集中が止まらない東京のオフィスは今後、多様性が求められる可能性があります。

新型コロナ騒動渦中でも人口が増加

「東京都の人口1,400万人突破」のニュースは衝撃を持って迎えられました。なぜなら2020年5月1日は新型コロナウィルス(以下、新型コロナ)感染拡大による緊急事態宣言の真っただ中であり、政府が重点的な対策が必要な「特定警戒都道府県」を東京都に指定した後も人口は増えたことになるからです。当時は、「新型コロナによって都市のあり方が大きく変わる」という議論がマスメディアを中心に盛んに語られていました。

新型コロナに限らず感染症はどうしても人口の密集する都市部で流行する傾向があります。そのため「アフターコロナの時代は人が密集する都市が忌避され、リモートワークの普及で地方への人口分散が起こる」ということも予想されました。そんな言説を2020年6月11日の東京都の発表は打ち壊したというわけです。

2020年7月18日時点の全国における1日の感染者数は662人と増加傾向であり新型コロナ騒動はいまだおさまったとはいえません。そのため現時点で断定的なことはいえないものの、幸いにも日本(正確には日本を含むアジア・オセアニア地域)は、西欧・北米・南米のような「新型コロナの感染者・死者の爆発的増加」という悲劇はとりあえず避けられている状態と言えるでしょう。

したがって過剰な「都市危険論」は、現実の東京都の人口増加といった形で事実と食い違ってきているという見方もできるかもしれません。

東京の人口増加の歴史

人口の変動には、出生数と死亡数の差による「自然増減」と人口移動(人口流入数と流出数の差)による「社会増減」があります。東京都の人口が初めて1,000万人を突破したのは1962(昭和37)年です。その後も東京都は人口増加を続けています。しかし自然増減と社会増減の側面で見ると現在まで一貫して自然増ですが1960年代後半~1990年代までは社会減でした。

意外にも東京都は1990年代まで人口流出が続いていたのです。その流れが変わったのが1997(平成9)年。この年以降、東京都は社会増に転換します。その背景には、バブル崩壊後の地価下落が都心回帰を招き商業系・事業系不動産が住居系不動産に置き換わったことが挙げられるでしょう。また近年のゆるやかな景気回復に伴い都区部を中心とした再開発事業が活発化したことも大きく寄与しています。
 
※「東京都の総人口(推計)の推移」東京都

将来的な東京の人口予測

東京都の人口予測は、国勢調査をするたびに変更されてきました。2010年の国勢調査結果をもとに立てられた予測では「2020年の1,336万人がピーク」とされています。しかし2015年の国勢調査結果をもとにした予測では「2025年に1,408万人でピークを迎える見込み」と修正。今回の東京都の発表によって人口予測はさらに修正される見込みです。

つまり東京都の人口は、予測を上回るスピードで増加を続けていることになります。その大きな理由は「都区部への人口流入=社会増」に他なりません。対前年同月比で人口増加の多い区を見てみると上位5区は以下の通りです。
 
順位 区名 人数(対前年同月比)
第1位 世田谷区 8,595人
第2位 品川区 7,568人
第3位 江東区 6,326人
第4位 練馬区 6,043人
第5位 中央区 5,588人

有数の住宅地である世田谷区、練馬区に加えて再開発事業の進む都心・湾岸部の品川区、江東区、中央区が食い込んできていることが特徴的です。つまり東京都への人口流入の背景には、旺盛な経済活動とそれに伴う雇用の創出が大きいといえます。人・モノ・情報が集積した都市基盤が地方の若年層や企業を誘引していると考えられるでしょう。

キーワードは成長性と多様性

「東京一極集中」「東京一強時代」ということが叫ばれ続けましたが、コロナ禍でもそれが証明されました。これは、都市としての東京の実力が指し示されたといっても良いのではないでしょうか。企業不動産(CRE)戦略の視点からすると「東京には中長期的に成長性がある」ということです。また「そこに不動産を保有する」ということは資産性を保つことになることを意味します。

実際に地方に本社がある企業が東京に支社を構えた事例を紹介します。愛知県に本社を構える株式会社 弘益は、1974年に設立したオフィス・ホーム家具の企画、輸入、製造販売を行う企業です。もともと代々木に賃貸物件の東京支社があったそうですが、業務拡大とともに手狭になったことで高田馬場にワンフロアでオフィスを購入したのです。家賃収入などのストックビジネスに早くから魅力を感じていたことや自社ビルの資産価値にメリットを感じていたのはもとより、家具のショールームとして東京支社を改築したいとの意向もありました。そのほか、様々な観点からオフィス購入に踏み切ったといいます。

自社ビルというと「ビル一棟」と考える方も少なくないのですが、この事例の企業のようにワンフロアから自社で購入したオフィスを保有することが可能なのです。ワンフロアでの購入であれば、一般的なオフィスビルの10分の1程度の価格で取得することができイニシャルコストの負担を軽減できるため、オフィス購入を検討する余地が広がるという方も多いのではないでしょうか。

さらに、東京都の人口増加で特徴的なのが「外国人が多い」ということです。2020年1月1日時点の調査では、東京都全体で57万7,329人が住んでおり、都区部では48万5,967人が在住しています。新型コロナ問題の懸念はありますが「将来的に収束する」と仮定すれば今後東京は国内外から広く人材が集まってくることは確実です。異なる人種や異なる国籍、異なる宗教・文化が共存する職場がさらに多く登場するでしょう。

そのほか、日本の社会的な背景として老年人口(65歳以上)が増え、生産年齢人口(15~64歳)が減っていることから、例えば子育てや介護をしながらでも働きやすい職場環境のオフィスが求められています。近年は、オフィスに多様性(ダイバーシティ)が求められる時代になったのです。

多様性に対応したオフィスのレイアウトプラン例
 
VORT 水道橋Ⅲ
 
VORT 新橋Ⅱ
 
VORT 御堂筋本町Ⅲ

多様で柔軟なオフィスの実現のためには、例えばフリーコミュニケーションエリアやリラックスエリアの設置、オフィスに隣接した託児所などハード面の準備が必須となります。これらは賃貸オフィスでも実現可能です。しかしオーナー側からの制約も考えられるため、自社ビルのほうがより自由に環境を整えることができるでしょう。東京の成長性と多様性を鑑みた場合、自社ビルという選択を検討する時代が到来しているのではないでしょうか。

※「VORT®」は株式会社ボルテックスの登録商標です

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