区分所有オフィス
2019.9.17

企業経営における「スラック」とは?

(写真=ShapikMedia/Shutterstock.com)
(写真=ShapikMedia/Shutterstock.com)
トヨタの「ジャスト・イン・タイム方式」「カイゼン」などは世界的にも効率的な生産方式を象徴する言葉の一つです。日本企業の多くは、従業員や設備をギリギリまで絞り込み在庫をほとんど持たないシステムを採用、効率的な経営を徹底化させてきました。そこでは予算だけでなく組織においても「無駄」が一切排除されるあり方がよいとされています。しかし効率化のみを徹底することで生じる問題があることもまた事実です。

今回は、企業経営において近年注目されている「スラック」という概念について紹介します。

スラックという概念

効率性のみを徹底化させた企業経営では、いざ企業を取り巻く環境が厳しくなったとき(急激な景気の冷え込み、企業内部での不祥事の発生など)、経営立て直しのための予算的・組織的余裕がなく行き詰まります。そこまでの危機ではなくても、いつもギリギリの状態での企業経営では、社員も常に息の詰まる思いで仕事をすることになり社内の活気や創造性が失われかねません。

そこで注目されているのが「スラック」という概念です。スラック(slack)は英語で「たるみ」「ゆるみ」を意味しますが、経営学においては「組織スラック」「予算スラック」と定義され、企業の保有する資源の「ゆとり」を意味します。大辞林第三版によると、「企業の成長期に蓄積された未利用の余剰資源。余剰人員・遊休設備など」とされています。

企業経営が予期せぬ出来事に遭遇し危機を迎えたとしても、スラックという余剰人員や遊休設備を用いることで危機を脱し、安定した経営を取り戻せる可能性があるのです。

(参照:コトバンク 大辞林第三版「スラック」

スラックはイノベーションの源泉

スラックは、いわば企業存続のための「安全弁」といえますが、注目されている理由はそれだけではありません。そうした「後ろ向き」の理由だけでなく、イノベーションを生む源泉としても意識されているからです。GAFAと呼ばれる米国を代表する巨大IT企業4社は、例外なくオフィスがクリエイティブで個性的です。

例えばスイスのチューリッヒにあるグーグル・オフィスの場合、まるでテーマパークのような空間となっており、洞窟のミーティングルームや卵型の個室もあります。ワシントンやオンタリオ(カナダ)のグーグル・オフィスにいたっては屋内ロッククライミングの壁まで置かれており、極めて個性的といえるでしょう。

これらは、単純に考えれば予算的にも空間的にも無駄なものです。しかし楽しい空間の演出は社員のモチベーションを高め、クリエイティブなイノベーションを生んでいます。組織のゆとり、すなわち組織スラックがイノベーションに結びつき、企業価値を向上させる好循環を生むのです。

企業不動産というスラック

近年は、CRE戦略の一環として自社ビルを建設し、そこに本社機能を集約する動きも出てきています。その際に単なる効率化ではなく、機能集約と同時に「組織のゆとり=組織スラック」を創出することで、さらなる企業価値の向上を実現させる企業が増えているのです。また企業が所有する不動産自体がスラックの意味を持ちます。

例えば、ソニー本社の「ソニーシティ」(東京都港区港南)は、オフィスのレイアウトが非常にユニークなことで有名です。現在の経営理念である「ソニーを一つにする求心力」によって本社機能の集約化を目指したオフィスです。

最大のユニークなポイントは、オフィス各フロアをエスカレーターで結んだことです。通常のエレベーターに比べて移動時間を大幅に削減できたこととともに、エレベーターホールをなくすことでゆったりとしたオフィスレイアウトを実現させました。

生み出された広大なスペースはコミュニケーションエリアとなり、全社内交流を促進すことに役立てられています。このようなCRE戦略による本社ビル建設が、組織のゆとり=組織スラックを生み出し、企業の求心力を高めているのです。

また、企業が所有する不動産自体が予算スラックの意味を持ちます。なぜなら内部留保を不動産という形にし、企業経営の安定化と進化を担保することができるからです。その一例が、株式会社ボルテックスの「区分所有オフィス®」を活用した不動産賃貸事業です。

「区分所有オフィス」は、希少性の高いブランド立地に建てられたオフィス・ビルをフロアごとに分譲しているため、資金的ハードルを下げつつ、購入した「区分所有オフィス」を貸し出し賃料収入を得ることで更なるスラックを創出することができます。スラックを意識したCRE戦略の一環として、「区分所有オフィス」を検討されてはいかがでしょうか。

※「区分所有オフィス」は、株式会社ボルテックスの登録商標です。

>>【eBookダウンロード】東京のオフィスで 企業価値を高める不動産戦略
>>まずは区分所有オフィス®︎の資料を請求してみる
 

【オススメ記事】
「都心にオフィスを持つ」を実現するには
資産としてのオフィスを所有し戦略的に活用するには
今の時代は「オープンフロア・オフィス」そこから生まれるイノベーションへの期待
自社ビルのメリット・デメリット
CRE戦略としての自社ビル

NEXT 【販売物件のご案内】 VORT半蔵門Ⅱ 8階
PREV 国税庁が路線価発表 地価上昇続く中、CRE戦略はどうあるべきか